IT業界の就職活動について
IT業界を就職活動の候補に入れている方は、まず心構えから準備していきましょう。なぜ【就活の軸】を掘り下げて考えなければいけないのか?ということから解説します。
下の表は、26年卒業予定者の希望業界をランキングにしたものですが、文系・理系ともにIT・通信が2位となっていてIT業界が人気であることが見て取れます。
26卒文系
順位 | 項目 | 回答比率 |
1 位 | メーカー | 19.8% |
2位 | IT・通信 | 13.7% |
3位 | 金融 | 13.3% |
4位 | 広告・ マスコミ | 11.7% |
5位 | コンサル・ シンクタンク | 8.5% |
26卒理 系
順位 | 項目 | 回答比率 |
1位 | メーカー | 45.2% |
2位 | IT・通信 | 22.6% |
3位 | コンサル・ シンクタンク | 45.2% |
4位 | インフラ | 6.5% |
5位 | 広告・ マスコミ | 3.6% |
この中で内定を獲得するのは簡単なことではありません。しかし、業界研究や自己理解を深めていけば、あなたの個性をアピールする武器になります。
ここからは【就活の軸】の考え方を紹介します。ぜひ就職活動のヒントにしてくださいね。
目次
就活の軸とは?
業種や企業を探すにあたり、何に重きをおいているか?という基準
なぜ面接やエントリーシートで聞かれるの?
・分析力(自己・企業のマッチング)
・ 客観性(多角的視野)
・中長期的ビジョン(入社後の目標)
企業側が就活の軸を聞く理由は次の3つが考えられます。
こういったことを間接的に問えるのが【就活の軸】という言葉です。
では、実際に考えていきましょう。
【就職の軸】の考え方
自己理解が不十分で、目指す業界を知らずに考え出すと【就活の軸】が他の業界でも当てはまる抽象的な表現になりがちです。
① 自己理解を深める
② 業界研究
③ 中長期的ビジョン
この3つの要素を改めて考え、整理していきましょう。
ぼんやりイメージしたものより、業界を調べて自分の考えや目標を明確にすると【就活の軸】が確固たるものになり、より面接官に伝わりやすくなります。

①自己理解を深める
まずは考える材料として、自己分析を始めましょう。
・今までの楽しいと思ったこと
・ 達成感を感じた経験
・ 生活の中で必要不可欠なもの
・ どういった生活をしたいか
・ 得意・苦手なこと
今まで意識していなかった些細な事でも、アウトプットしていくと改めて気づきがあるかもしれません。それをヒントに志望動機を考えていくといいでしょう。
②業界研究
次は志望する業界を知りましょう。
IT業界を候補に考えている就活生の多くは、業種や業務内容に対する理解が足りないと自覚しているため、業界や業種の情報を得ようと行動していると考えられます。
業界研究という表現だと硬く聞こえますが、まずは少しでも興味があるサービスやそれを提供する企業を調べてみましょう。
そして、「その分野に携われる職種は何か?」「どんな人や能力が求められるのか?」など、少しずつでも浮かんだ疑問を解決していくよう調べていくと、おのずと興味のある職種や会社にたどり着けると思います。
③中長期的ビジョン
自己理解を深め、業界研究をすすめると「IT業界でどう働きたいのか」がイメージできるのではありませんか?
何を叶えたいか?なぜIT業界を選んだのか?をより具体的に落とし込んでみてください。 IT業界で働いている自分を想像してみるのもおすすめです。
次は、思い描いた未来の自分が叶えたいことを言語化してみましょう。それが【就活の軸】の考え方の基礎の部分となります。
では、ここからは【就活の軸】のNG例と言い換え例を解説します。
NG例と言い換え
×スキルアップできる
言い換え:企業の仕組みを知り成長につながる
×福利厚生が充実している
言い換え:社員を思いやる仕組みが進んでいる企業
×給与が高い
言い換え:責任感のある仕事をして成長し続けたい
×:フルリモート
言い換え:多様性・柔軟性のある職場環境
×大手企業:
言い換え:たくさんの人と関わりながら新しい技術を作り上げたい
条件や労働環境は働く上で大切ですが、上記NG例文のように待遇面を前面に押し出すと、自分の得ばかり優先する自己中心的な考えだと思われてしまいます。 もしこういった軸の場合は言い換えられるようにしましょう。
面接官から「具体的にどういうこと?」と突っ込まれた場合、慌てないよう落ち着いて説明できる準備も必要です。
企業研究や業界のことを調べて、体験談や具体例も合わせて話せるとよりあなたの個性が伝わっていくはずです。
IT業界で使える【就活の軸】
・新たなサービスを提供したい
・ セキュリティ対策に関わり安全な生活を守りたい
・最新のものづくりに携わり成長したい
・日々進化する技術や企業で働きたい
・○○の分野で専門性の高いスキルを得たい
・便利さの根底となるITに携わり社会貢献したい
・情報格差を感じない世界のしたい
・進化や変化を面白がれる人たちと働きたい
・技術力の高い環境に身を置き成長につなげたい
・海外進出して最先端のIT技術に携わりたい
・愛用しているITサービスに関わりたい
・老若男女問わず気軽に使えるITの仕組みを作りたい
・世界の情報を正確に伝達できる仕組みを構築したい
・高齢化に対応できるITサービスを作りたい
・小さなストレスをIT技術によって解決したい
・日本の自給率を支える技術開発に携わりたい
こういった【就活の軸】に自分自身の体験談やエピソードを交えると面接官に問われた時に、より説得力のある話ができるようになります。
例文のように、IT業界でなければいけない理由も併せて伝えられるとより良いと思います。そのために、志望企業の業態やサービスをしっかり調べましょう。
そして、【就活の軸】はできれば複数準備しておくと面接時の応答にバリエーションができますし、面接官からも「多角的に仕事や業界を見ている」という評価につながります。

面接で使える例文
具体例①
私の就職の軸は「情報格差を感じない世の中にしたい」です。
私自身、地方出身で大学受験の際に○○(地名)移り住みましたが、受験や教育の選択肢の幅やそれに伴う生活の豊かさの違いに驚きました。そういった情報がない地方出身という点がハンデになったと感じたこともあります。しかし、情報格差を○○というサービスで取り除くことで、地方に住む人の選択肢や可能性を広げられると考え、▲▲の分野で活躍したいと思っています。学生時代感じたハンデを社会人で武器に変え、自分事として社会問題の解決に取り組みたいです。
具体例②
「日本の自給率を支える技術開発に携わりたい」というのが私の就活の軸です。
私の祖父母は農家を営んでいるのですが、昨今の後継者不足やエネルギーの高騰で「この状況が続くのなら、長くは続けられないかもしれない」と言い廃業も視野に入っていると聞きました。
両親もその状況を見ていると継ぐ決断は難しいようです。私自身このままだと日本の自給率は近い未来下がってしまうと考え、危機感を感じています。そして私ができることはAI化を進めて農業に夢を持てるシステムを構築することだと思いました。日本が世界に誇る農業技術を絶やさず、守り続けたいです。
このように、マイナスな環境下をプラスに転じられることや行動力をアピールするとIT業界で求められる【問題解決能力がある人】という印象になります。
なるべく体験談や自身の考えを交え、あなたの個性を伝えていくようにしましょう。
まとめ:就活の軸はあなたの個性を表す武器!
就職活動をしていると自分を見失ったり、周りの就活生が順調に見えて比べてしまったり…自信を持てなくなることが多いですよね。
そんなときは何度でも、業界研究や自己分析を重ねて【就活の軸】を見直し、あなたらしい就活を進めていくための武器にしていってください。
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